オーダージュエリーガイド 石留め
地金に宝石を留める作業を「石留め」といいます。省略して「留め」といったり、「セッティング」ともいいます。「石留め」は宝石を地金の枠にしっかりと固定する役割と同時に、デザインを構成する大事な要素でもあります。留めの種類を変えるだけでジュエリーの印象がガラリと変わることもあります。
石留めにはどのような種類があるのでしょうか。下記はベルプラージュでよく使われている、ごく一般的な石留めについてご紹介しています。
爪留め
もっともオーソドックスな石留めの方法の一つで、爪と呼ばれる棒状の貴金属の地金を、主に石留めヤットコ等の工具で倒して石枠に宝石を固定する石留め方法です。爪留めは実にさまざまなバリエーションがあり、マーキスカット、スクエアカットなどさまざまなカットの石に対応できます。爪の本数は2本から8本くらいが一般的ですが、デザインによってはわざと爪の本数を増やすこともあります。爪留めは爪自体の形状を変えることでも印象が変わってきます。爪を丸くすると可愛らしく、三角形は上品に、四角形はシャープな印象を与えます。また爪の太さによっても与える印象は変わります。爪が細いと華奢な印象、太いと力強い印象になります。
お勧めバリエーション
| 【1】 |
大きめの石を爪の本数を増やして爪留め。アンティーク風の繊細な雰囲気に。 |
| 【2】 |
石を持ち上げて、爪と爪の間に透かし模様を入れメレダイヤをあしらってみては?ワンランク上のジュエリーになりますよ。 |
| 【3】 |
小さめの石をたくさん集めてブーケのような雰囲気に、繊細で上品な雰囲気になります。 |
加工例
彫留め
石のサイズにあった穴をあけ、主に、彫りタガネと呼ばれる刃先の鋭利な切りタガネで地金面を数箇所彫り起して小さな爪を作り、それで石を留めます。埋め込んで留めるため、地金にある程度の厚みが必要になります。地金の厚みが無いもの、裏抜き(裏側の地金をくり抜いてある)のタイプのものは、留められない場合があります。直径1〜2mm程度の大きさのラウンドカットの石に向いていますが、地金の厚みなど、条件を満たしている場合には大きめのサイズの石を留める事もあります。この留めは石を上から叩いて留めるため、ある程度の硬度のある石に向いています 。
お勧めバリエーション
| 【1】 |
ワンポイント使い。 |
| 【2】 |
ライン上に配置して流れや直線と表現。 |
| 【3】 |
地金面を星型に彫り、可愛らしい雰囲気に。 |
加工例
はさみ留め
地金に溝を切って、そこに宝石のガードル部分(縁の部分)を挟み込んで留める技法です。石の2箇所を対角線上になるように留めます。石座を小さく作ると、側面から見た時に石のプロポーションがよく分かり、宙に浮いているように見えるものもあります。ガードルがあるカットの石はほとんど対応できます。主に中石(メインストーン)に使用しまが、ダイヤモンド、ルビー、サファイア等の硬度の高い宝石で、ある程度石の大きさがあるものが適しています。このタイプの留めのリングはサイズ直しが難しい、または出来ない物もあるので注意が必要です。
お勧めバリエーション
| 【1】 |
地金に動きを出して優しい表情をつけてみても楽しいですよ。 |
| 【2】 |
腕の幅と石の直径をほぼ同じくらいにするとシャープでモダンな雰囲気が楽しめます。 |
| 【3】 |
腕の幅を石の直径より細くすると上品で繊細な雰囲気になります。 |
加工例
フクリン留め(ふせ込み)
石の外周を地金の輪で覆って留める方法です。フクリン(覆輪)留めは石を留めるフレーム(枠)状の地金を、打ちタガネやヤットコ、ヘラ等で倒して石を固定します。フセ込みとも言います。フクリン留めは爪の引っ掛かりが少なく、石も外れにくいので、使用頻度の高いジュエリーにはお勧めの留めです。大きめのサイズの石に用いられる事が多い留めですが、メレサイズの小さな石でも留める事ができます。さまざまなカットの石にも対応でき、不定形の石にも対応できる、オールマイティーな留めです。デザイン的にはシンプル、カジュアル、クールといった雰囲気を出しやすい留めです。
お勧めバリエーション
| 【1】 |
ダイヤモンド×プラチナのフクリン留めは石が一回り大きく見える効果があります。中心の石を力強く見せたい時にお勧めの留めです。 |
| 【2】 |
小さめの石をランダムに配置してポップでカジュアルな雰囲気に。 |
| 【3】 |
不定形の石で個性的なデザインに。 |
加工例
かべ留め(チョコ留め)
地金を円筒状に彫り、その壁側をタガネでひげのように彫り起こし留める方法です。ドット留めと比べると石の輪郭がシャープに見えるのが特徴です。埋め込んで留めるため、地金にある程度の厚みが必要になります。地金の厚みが無いもの、裏抜き(裏側の地金をくり抜いてある)のタイプのものは、留められない場合があります。直径1〜2mmの大きさのラウンドカットの石に向いています。
お勧めバリエーション
| 【1】 |
地金面にランダムに留めると水玉柄のような楽しい雰囲気が出せます。 |
| 【2】 |
ワンポイント使い。 |
| 【3】 |
テーブル面を地金面より低くセットする事が出来るので引っ掛かりがなく、リングの裏側に留める裏留めなどにも向いています。 |
加工例